ウォシュレットの開発秘話まとめ

2014-10-20

◆広告を出すにも一苦労

さかのぼること、昭和45年(1970年)。当時、高度成長期にあった日本は、空前の住宅建設ラッシュにありました。住宅に納める水回り製品のトップメーカーとして、水洗便器の売上げもうなぎ昇りでした。

もちろん、広告のデザインも最新のものを用い、広告会社へ持ちかけてみたのですが……。

雑誌社は、『便器は、汚い尻をイメージさせる。雑誌の品位が落ちる』、新聞社は、『トイレは、“ご不浄”』と広告掲載を拒否されたのです。

昭和45年ですから、分からない事もありません。
こういう、広告会社側の嗅覚でいいものが広告されていくわけですから。

◆開発の秘話

1964年、アメリカのベンチャー企業、アメリカン・ビデ社が痔の患者さん用に開発した医療用便座“ウォッシュ・エア・シート”の輸入販売をTOTOが決めました。

しかしこの時点では、洗浄液が「熱い」「冷たすぎる」と、なかなかうまくいかず。

60年代に米国からの輸入によって福祉用の温水洗浄便座(これは「ウォッシュエアシート」という名称)の発売を行っていたTOTOがこれに目をつけて研究を重ね、遂に「日本人のための、日本人による」温水洗浄便座を開発したのです。

外人と、日本人の骨格の違いからくる肛門の位置の違いについての研究が始まったのですね。

◆日本人向け商品として、どこにシャワーを当てるか

 

・1つ目の壁は、肛門の位置。
・データがないため、
 自分たちで調べねばなりません。

開発スタッフは、社員に針金をはった便座に座ってもらい、座ったときに肛門がきた位置に印をつけてもらうようお願いしました。

最初は当然ながら渋っていた女性社員も協力し、男女300名の肛門の位置のデータが摂れたわけです。

・でも、彼らはあきらめませんでした。
・自ら実験台になり、
 家族にも協力してもらった。

初めは社員でも断っていたのが、段々、みんなが協力していくように。

◆お湯の温度をどうするか

開発スタッフの間から、「ICを使いましょう」という提案が挙がりました。さっそく、家電メーカーに問い合わせたところ、「直接、水を使うなんて、無理な話!漏れて漏電したら大変なことになりますよ」との返答。

でも、スタッフは、「安全な回路を作ってみせる」とICを取り寄せ、回路作りに取り組み始めました。

だがその後、漏電による感電者出るなどして、安全面から企画は一時滞った。

・そんなある日、雨の中を通勤していた
 開発者は、ある物に目を留めた。
・それは、信号機。
・信号機に使われているICなら、
 水にも強いはず。
・メーカーに問い合わせたところ、
 その技術を使えることが判明しました。

その信号機を製造している信号機メーカーをたずねました。

ありがたいことに、メーカーの担当者は、「自分たちの技術が広がるのであれば」と協力してくれました。

「ハイブリッドIC」というICを特殊な樹脂でコーティングする技術を教えてくれたのです。

◆そして今では

この『ウォシュレット』とは、TOTOが発売している温水洗浄便座の名称です。INAXや他社製の同種のものも含め、ウォシュレットと呼ばれるほど名称も定着。

INAXでは、「シャワートイレ」として売り出していたものが、「ウォシュレット」と同一呼称で呼ばれる程のネーミングの強さがありました。

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